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常に規制とともにあるパチンコ店…オープン前もオープン後も…
パチンコ店は風営法で規制の対象となっている「風俗営業」です。そのため、その営業にあたっては、実に様々な規制がかかっており、近所の商店がちょっと店を開くのと同じような感覚ではできないビジネスとなっています。
風営法で規制の対象となっているビジネスのうち、風俗営業にはパチンコ店のほかに、キャバクラやホストクラブ、雀荘、ゲームセンターなどがありますが、これらの業態と比べ、パチンコ店については、動く金額が大きいことから、営業する際は様々な規制を考慮に入れながら慎重に行わないと、思わぬところで莫大な損失となってしまうこともあります。
例えば新規オープンの場合を例にとると、風営法では出店場所に関して厳しい規制をかけていますので、そこをよく調査・理解しないままに出店準備を進めてしまうと、内装等が終わり、いざ申請する段階になって「実は申請ができない場所でした…」というとんでもないことが発生したり、あるいはこうした厳しい場所的規制を逆手に取った出店妨害が起こったりとか、とにかくあらゆる面において油断ができず、多くの規制や制約の中で、オープンするまでの精神的消耗が激しいのがパチンコ店開業の特徴であるといえます。
なお、出店場所の規制については、私は風俗営業の許可が取れるの?が、出店妨害の問題については、パチンコ店の開業と風俗営業の許可申請|出店妨害の問題を考えるが参考になります。
また、パチンコ店に対する規制は当然のことながら、オープン後にもかかってきます。ここではそのいくつかについて、ざっくりと解説する事にします。
まず、遊技機の入替についてですが、これをする際は、事前に所轄警察署を通して公安委員会に変更承認の申請をする必要があります。
たとえ遊技機の入れ替えにまでは至らない修理や部品交換であっても、遊技機の性能に影響を及ぼすおそれがある場合は、事前の承認を受けなければなりません。遊技くぎや役物の他に、遊技球と接触する可能性がある遊技盤上の構造物、主基板、発射装置、遊技機枠について手を加える場合は、すべて事前の承認が必要です。詳しくは、パチンコ店の変更手続きと風営法|所轄警察署への手続きは?をご参照下さい。
パチンコ店には<遊技料金>について、風営法上の規制がかかっています。具体的な金額は風営法本体ではなく、その施行規則で定められているのですが、以下の通りとなっています。
・パチンコ遊技機 玉1個につき4円
・回胴式遊技機 メダルを使用する遊技機は、メダル1枚につき20円
なお、必ず4円や20円でなければならない、ということではありませんので、それ以下であれば、例えば2円や10円でもOKです。そしてこの遊技料金は、営業所内の見やすい場所に表示しなければなりません。
パチンコ店は風俗営業ですので、営業時間についても<完全にフリー>、というわけにはいかず、当然のことながら規制がかかっています。東京都の場合は「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行条例」によって、都内全域で午後11時から翌日の午前10時まで、営業する事ができないことになっています。
他の風俗営業、例えばキャバクラやホストクラブなどについては「営業延長許容地域」といって、一定の地域に限って営業時間が午前1時までOKな場所があるのですが、パチンコ店に関してはこの適用はなく、したがって営業時間はすでに述べた通り、午前10時から午後11時となっています。
風俗営業の営業時間については、風営法と営業時間|この時間以外はアウト!警察から注意されます!!もご覧になると理解が深まります。
パチンコ店は広告宣伝の方法についても、細かい表現に至るまで規制がかかっており、例えば入賞を容易にした遊技機であることをうかがわせるような表示である「甘釘」や「天国調整」などはNGワードとなっています。この他にも、賞品買取り行為への関与をうかがわせる表示はNGだとか、細かい規制が色々とあります。
風営法はパチンコ店の賞品提供方法に関しても規制をかけています。ちなみに「景品」ではなく「賞品」というところが重要で、また、「遊戯」ではなく「遊技」というところも重要です。「??」と思われた方もいるかと思いますが、パチンコの結果というのは、偶然の結果によるものではなく、遊ぶ人の「ワザ=技」によるところが大きい、そうである以上、得られるものはワザの結果に応じた「賞」品である、という考え方です。
これをパチンコにおける技術介入の余地ということもできますが、要は全くの偶然を狙うものであれば、それは賭博であり、さらにそれが激しく増減するなどといった形で現れれば、「一発当ててやろう」という射幸心が過度にエスカレートして、国民経済の機能に悪影響を及ぼすことになってしまいます。ですので、風営法で認められているパチンコというのは、賭博にまで至らない偶然性と娯楽性、技術性の調和が図られたものでなければならないのです。
話を戻しますと、このような調和の図られた「遊技」の結果得られる「賞品」は、風営法の施行規則によって以下のような方法で提供するように規制がかかっています。
・当該遊技の結果として表示された遊技球等の数量に対応する金額と等価の物品を提供すること
・等価性については、当該賞品が国内小売市場で流通している価格の範囲内であること(ですので、営業努力で安く仕入れることができたとしても、市場価格以下で提供することはNGです)
・提供する賞品の価格は9,600円に当該金額消費税等相当額を加えた金額を超えないこと
・客の多様な要望を満たすことができるよう、客が一般に日常生活の用に供すると考えられる物品のうちから、できる限り多くの種類のものを取り揃えておくこと(以前申請したある地域では、この規制との関係で、賞品提供場所の面積に<非常に>神経質なところがありました…どことは言いませんが…(笑)。地域によって考え方に差がありますので、要注意です。
パチンコ店に限らず、キャバクラやホストクラブ、雀荘、ゲームセンターといった風俗営業全般に通じる禁止行為として、18歳未満の者を営業所に客として立ち入らせてはならない…などがあるのですが、この点について詳しくお知りになりたい方は、風営法を読んでみよう!にアクセスし、22条のところを見ていただければ詳細がわかります。
ここではパチンコ店特有の規制として、次の23条をご紹介します。パチンコ店を営む者は、22条の風俗営業を営む者全般に対する規制に加え、23条の規制もかかってくるのです。以下はその内容で、いずれも禁止行為となっています。
・現金又は有価証券を賞品として提供すること
・客に提供した商品を買い取ること
・遊技の用に供する玉・メダルその他これらに類する物を客に営業所外に持ち出させること
・遊技球等を客のために保管したことを表示する書面を客に発行すること
このうち、現金・有価証券の提供については、「賞品として提供すること」がNGですので、それ以外の形式、たとえば「景品」としてであればOKなようにも見えますが、例えば「来店ポイント」に関しては、景品表示法等との関係で、また、「遊技額に応じたポイント」については、著しく射幸心をそそるおそれのある営業方法であるかどうか、といった点も含めての総合的な検討が必要となります。
次に遊技球等の持ち出しについてですが、「持ち出させる」という表現に注意して下さい。風営法の条文は一言一句すべてに深い意味がありますので、読み流しは禁物です。
そして遊技球等の保管についてですが、現在、貯玉・再プレイシステムが奨励され、貯玉補償基金までできているのは、一見すると風営法の規制に反するかのようにも見えますが、この点について警察庁は下記のように考えているためOKとなっています。
【警察庁の見解】営業所ごとの会員カード等を利用して当該営業所内のコンピュータ等において当該会員が獲得した遊技球等の数量を管理する場合において、当該数量を当該会員カード等に電磁的方法その他の方法により記録することをしないものは、法第23条第1項第4号にいう書面には当たらない扱いとする。
パチンコ店には、これまでに述べた風営法からかかる規制のほかにも、業界内部のルールが多数存在しており、これも無視することはできないものとなっています。例えば中古機の流通ひとつとっても、その過程で様々なルールが絡んでおり、関係者にとって負担となっていることは否めません。
ただ、こうした業界全体の健全化に向けた自主的努力は、パチンコ産業の社会的評価向上のためには今後も欠かせないものとなっていくでしょう。風俗営業にはパチンコ店の他に、キャバクラやホストクラブ、雀荘、ゲームセンターなどがありますが、これらと比べると、パチンコについては、業界ルールの策定や業界団体の組織率が高いのが特徴的です。
先ほど、パチンコについては業界ルールの策定や業界団体の組織率が高いという話をしましたが、一般論として、ある風俗営業が風営法の規制対象から外れるためには、業界団体の組織率や業界全体の法令遵守状況というのは重要なキーとなります。話が飛躍するかもしれませんが、パチンコ店が風営法の規制から外れるためには、
・営業の健全化に向けた制度がある
・営業に伴う法令違反・行政処分がほとんどない
・射幸的な部分が過度にわたるおそれがなく、かつ規制対象から外しても極めて少ないと判断できる
・人的欠格事由などの規制をなくしても暴力団等の介入を招かない
・立地規制をなくしても周辺環境に悪影響を及ぼさない
・年少者の立入りを制限するための制度がある
…等の点について検討されることが必要かと思われます。
ただ、現時点の流れを見る限りでは、昨今の様々な問題発生の影響を受けて、規制が緩くなるというよりは、逆に厳しさが増す方向へ進んでいる、といったほうがいいかもしれません。
しかし、かつての成人映画館が「業界をあげて自主規制を強化するので風営法の対象とはしないでほしい」という強い要望を出し、「検討の結果、推移を見守る」となった経緯があったりだとか、あるいは逆パターンとして、料亭の規制については、法令違反の状況、人的規制、業界団体の組織率…といった点から規制の継続となったりだとか、色々な形がありますので、パチンコ店に対する規制も、今後、業界の動向いかんで方向性が変わる可能性があるといえるのではないでしょうか。引き続き状況を見守っていきたいところです。
ここで取り上げた以外にも、パチンコ店に対しては実に多くの規制がかかっており、営業者がその全貌を理解するのは非常に困難であるかと思います。しかし思わぬところで風営法違反を指摘され、指示処分を受けてしまうと、マル優(特例風俗営業者)取得をお考えの方は、さらにそれが遠のいてしまいますので、十分にご注意下さい(ただしマル優はメリットだけではありませんので要注意です)。
不安な点がある場合は、当事務所までご相談下さい。風営法専門の事務所ですので、他の事務所とは異なり、風営法に関する高い知識と豊富な実務経験を有しております。また、法令だけでなく、ホール運営の実務についても詳細を把握していますので、4号営業(パチンコ店)についても、的確なアドバイスが可能です。
ちなみに先ほど申し上げた料亭に対する規制の継続については、下記の政府委員見解が参考になります。ご興味のある方はどうぞ。
「和風料理店あるいは料亭について健全な営業を継続している業者が多いという状況も承知しております…ただ、現状を見ますと、一部の業者とはいいましても、やはり依然として売春等の風俗事犯があること、それから特にこの許可対象から全く除外して自由にした場合に人的規制がなくなりますので、暴力団あるいはそれに近い人物による営業が生じる等々の問題がありますし、それからこの自主規制ということを考えますと、その中心となる業界団体が必ずしも組織率が高くないということがありまして、現時点で許可対象から除くことは困難で…」(平成10年:政府委員見解)
※「風営法」と「風適法」は、表現の仕方が微妙に異なり、この点については、こだわると奥が深いです。しかしここでは「ざっくりと理解する」ことが目的ですので、詳細な説明は省略とし、一般的によく使われている「風営法」という表現を使用しています。
また、その他の箇所についても、同様の趣旨から、ざっくりとした表現や内容となっております。予めご了承下さい。
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【執筆者】富岡 勉(とみおか つとむ)
1974年東京生まれ。
■慶應義塾大学を卒業した後、大学院で行政法(行政裁量)を研究。2001年行政書士試験合格。
■現在、東京都行政書士会所属行政書士、富岡行政法務事務所所長。専門は風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律と、同法をめぐる裁量問題。理論と実務の両方に詳しい。
■行政書士・富岡勉からのメッセージ
字数等の制約もあるため、ここに全ての情報を盛り込むことはできませんでした…。お伝えしたい情報は、まだまだございます!
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