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私は風俗営業の許可が取れるの?|申請前に見るべき「3つの要件」!

もしかして…私って、許可がダメな人じゃないよね?

 風俗営業の許可を取るためには、法令上の様々な要件をクリアしなければなりません。ここではその要件がどうなっているか、ざっくりとご説明することにします。

 要件については、3つの視点を軸として考えると、頭がスッキリします。その3つとは、「人」、「場所」、「営業所」です。

 

 犯罪歴が一切なく、「人」に関しては全く無問題だとしても、学校が近くにあったりすると、「場所」という点で引っかかってしまいます。

 また、「人」に関しても「場所」に関しても全く問題がない…という場合でも、客室内部の見通しが悪いというように「営業所」に問題があると、やはり許可を取ることはできません。

 3つの視点から要件をチェックして、全て問題がない、となって、はじめて許可が下りる仕組みとなっています。

 それではその「3つ」について、もう少し詳しく見ていくことにしましょう。

私は風俗営業の許可が取れるの?

1:風俗営業許可の要件⇒「人」について

 風俗営業の許可を取るためには、まず「人」について問題がないかどうか、チェック&調査する必要があります。

 許可基準は風営法第4条で定められているのですが、そこでは「人」に関して非常に細かく「○○に当てはまる場合は、許可を与えてはダメ」と書かれています。この○○のことを「欠格事由」といいますが、特に「人」に関する欠格事由のため「人的欠格事由」と言ったりもします。

 この人的欠格事由に引っかかるようだと、許可を取ることはできません。

 ちなみに許可を取った後にこの人的欠格事由に当てはまってしまった場合は、「許可を取り消すことができる」と風営法で定められています。

 

 ではその人的欠格事由とは、どのようなものなのでしょうか。ざっくりと見てみましょう。

■成年被後見人若しくは被保佐人又は破産者で復権を得ないもの

■1年以上の懲役若しくは禁錮の刑に処せられた者で5年経っていない者

■以下の法律に関して罪を犯した場合は、1年未満の懲役若しくは罰金の刑でもダメ。ただし、該当する行為は限られていて、風営法でそれぞれの法律ごとに「第○○条の罪」というように具体的に定められています。詳細は「風営法を読んでみよう!を開き、第4条のところを確認してみて下さい。なお、この場合も、やはり5年経っていない場合はダメです。

・風営法

・刑法

・組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律

・売春防止法

・児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律

・労働基準法

・船員法 

・職業安定法

・児童福祉法

・船員職業安定法

・出入国管理及び難民認定法 

・労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律

■集団的・常習的に暴力的な不法行為など、違法な行為を行うおそれがあると認めるに足りる相当な理由がある者→ここでいう「違法な行為」は、国家公安委員会規則で定めるとされており、それは風営法施行規則第6条に具体的に書かれています。58の法律が挙げられています。

■アルコール、麻薬、大麻、あへん又は覚醒剤の中毒者

■許可の取消処分を受けてから5年を経過していない者(処分が法人の場合は、その役員であった者を含みます)

■法人で、役員の中に上記のいずれかに当てはまる者がいる場合

■営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者

 ここではざっくりと理解することが目的ですので、かなりアバウトに書いています。「ああ、こんな感じだとダメなんだ…」というイメージがつかめればOKです。繰り返しますが、正確な内容は「風営法を読んでみよう!のページを開き、第4条をじっくりとご参照下さい。

 細かい条文なので読みにくいかと思いますが、大事なところなので頑張って下さい。当事務所にご依頼いただければ、もちろんこの点に関しての確認作業はきちんと行いますので安心です。

 

 犯罪歴に関しては警察で身上調査、前科調査を行いますので、インチキをしようと思ってもすぐにバレてしまいます。「何だか不安な点がある…」という場合は、下手に隠したりせず、必ず警察に相談することが大切です。

 なお、以前は中毒者でないことを証明するために診断書を出していたのですが、今は出さなくてもいいことになっています。

2:風俗営業許可の要件⇒「場所」について

 風俗営業の許可を取るためには、「人」に関する要件の他に、「場所」についてもしっかりとチェック&調査することが必要となります。

 まず、営業所が何の用途地域にあたるのかを調べて下さい。用途地域とは、都市計画法で定められている12の地域のことで、第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域、第一種中高層住居専用地域、第二種中高層住居専用地域、第一種住居地域、第二種住居地域、準住居地域、近隣商業地域、商業地域、準工業地域、工業地域、工業専用地域があります。

 このうち、住居系地域に該当するところでは許可を取る事ができません。ただし4号、5号営業については、東京都の場合、第二種住居地域、準住居地域でも一定の条件を満たせばOKな場合があります。

 用途地域は場所によって複雑に入り組んでいるところがあり、商業地域と思っていたところでも、ポツンポツンと住居系地域が混ざっていたりするので注意が必要です。段階的に徐々に変わっていくというものではないので、商業地域の真隣にいきなり第一種住居地域がある、ということはよくあることです。東京都内だと、六本木界隈などは要注意です。

 

 「場所」については、用途地域のほかにも、保全対象施設という絶対に外せない調査ポイントがあります。仮に商業地域であっても、保全対象施設と呼ばれる施設の周囲では、許可を取ることができないのです。

 では保全対象施設とは一体どのような施設なのでしょうか。

 東京都の場合、学校や図書館、児童福祉施設、病院や診療所といった施設がこれにあたります。「風営法ってどんな法律?でも触れましたが、こうした施設の近くに風俗営業の店舗があると、色々と不都合が生じるため、一定の距離がないといけないのです。

 ここではざっくりと学校や図書館…などとご紹介しましたが、実はこれらの保全対象施設は、それぞれの法律でさらに細かい分類に分かれています。そのため、その一つ一つについてさらに細かく調査をしなければなりません。

 例えば「図書館」ですが、図書館法でいう図書館とは「…地方公共団体、日本赤十字社又は一般社団法人若しくは一般財団法人が設置するもの…」となっています。

 普通の感覚で図書館というと、公立図書館を思い浮かべる方が多いと思います。しかし許可を取るためには、この調査だけでは足りず、日本赤十字社や一般社団法人、一般財団法人が設置するものについても調査をしなければならないのです。

 こうした図書館というのは、公立の図書館と違ってビルの1フロアにひっそりと存在していたりするので、隣のビルの入居者でも、その存在に気付いていない、ということが普通によくあります。ですので、これをうっかり見落として店舗の開店準備を進めてしまうと、内装も什器もすべて揃った後に「実は許可が取れない場所でした…」となり、大変な損失となってしまうこともあるのです。

 こうした「つい、うっかり」というのは、他の保全対象施設(学校、児童福祉施設、病院や診療所)でも全く同様に起こり得ます。例えば最近ではサテライトキャンパスといって、一見すると学校とは見えないような普通のビルの中に、実は学校教育法上の学校があったりするので、油断はできません。

 ですので、風俗営業の許可申請をするときには、正しい知識に基づいた綿密な調査をすることが必要となりますし、こうした調査はそれなりの経験のある者が行わないと、大怪我の元となりますので、十分に注意する事が必要となるのです。

 なお、この調査ですが、基本的には店舗の周囲100メートルの範囲内を徹底的に行う必要があるので、知識と経験だけでなく、忍耐力と丈夫な足も必要となります(笑)。

 

 何だか大変そうだ…そう思われた方は当事務所に依頼してしまう、というのも一つの手です。そうすれば、この調査はすべて当事務所が代わりに行いますので、お客様は学校教育法や図書館法、児童福祉法や医療法…などを調べたうえで調査をしたり、汗をかいて歩き回ったりということをしなくて済むようになります。

3:風俗営業許可の要件⇒「営業所」について

 風俗営業の許可を取るためには、これまでに述べてきた「人」「場所」の他に、「営業所」についてもチェック&調査をしなければなりません。

 風俗営業の場合、1号から5号までのそれぞれについて、細かく基準が定められています。例えば、1号営業の場合をざっくりと挙げると、

 

  • 客室の床面積は和風の場合、1室9.5平方メートル以上、その他の場合は16.5平方メートル以上
  • 客室の内部が外部から容易に見通せないこと
  • 客室内部に見通しを妨げる設備を設けないこと
  • 善良の風俗、清浄な風俗環境を害するような写真、広告物、装飾等を設けないこと
  • 客室の出入口に施錠の設備を設けないこと
  • 営業所内の照度が5ルクス以下とならないようにすること
  • 騒音・振動が基準に収まるような構造・設備を有すること

 

というような基準があります。

 ですので、営業者が勝手に思うがままの内装を施すことはできないのです。

 よくVIPルームを作りたいという相談を受けるのですが、その場合は1室の面積や、そのドアに鍵を付けない…等、様々なことを考えなければなりません。

 その他、衝立一つ置くにしても、高さはおおむね1メートルまでとか、裸体の像をインテリアとして置く場合は大丈夫か?とか、景観を売りにした店舗の場合、外から中が見えないように工事を工夫するとか…いろいろと考慮しなければならないことがたくさんあります。

 法令の基準を知らないままに内装を進めてしまうと、後で基準に合致していないことが分かった場合、再工事に多大な費用がかかってしまいますので、十分に注意することが必要です。

 

 なお、当事務所に依頼してしまえば、この点についての心配は不要となります。なぜなら、風営法専門の行政書士が店舗までお伺いし、内装が基準に合うかどうかのコンサルティングを徹底的に行うからです。そのため、再工事という無駄な出費はしなくて済むようになります。

 いかがでしょうか。風俗営業の許可を取るためには、「人」「場所」「営業所」のすべてについて、法令の基準をクリアしなければ絶対に許可は出ません。ここでご紹介した基準は、ごくごく一部でしかなく、しかもその内容は非常にざっくりとしたものです。実際には難解な用語で細かい点に至るまでびっしりと基準が定められていますので、「面倒だ…」と思われた方は、当事務所に丸投げしてしまう、のも選択肢としてはアリかと思います。 


 ※「風営法」と「風適法」は、表現の仕方が微妙に異なり、この点については、こだわると奥が深いです。しかしここでは「ざっくりと理解する」ことが目的ですので、詳細な説明は省略とし、一般的によく使われている「風営法」という表現を使用しています。

 また、その他の箇所についても、同様の趣旨から、ざっくりとした表現や内容となっております。予めご了承下さい。

執筆者情報:この記事って誰が書いてるの?

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【この記事の執筆者】富岡行政法務事務所・代表行政書士:富岡勉

【執筆者】富岡 勉(とみおか つとむ)

1974年東京生まれ。

■慶應義塾大学を卒業した後、大学院で行政法(行政裁量)を研究。2001年行政書士試験合格。 

■現在、東京都行政書士会所属行政書士、富岡行政法務事務所所長。専門は風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律と、同法をめぐる裁量問題。理論と実務の両方に詳しい。

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