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あなたの大事な「許可証」を守るために…
風俗営業の許可…実は取った後にそれを維持・管理していくのも、なかなか大変なのです。せっかく取った許可も、風営法に反するようなことをすると、場合によっては取り消されてしまう事があります。
また、特例風俗営業者(いわゆるマル優)といって、10年間何のお咎めもなく営業を続け、認定を受けると、風営法上のメリットを受けられる制度があるのですが、もしこれにチャレンジしてみよう!という方は、尚更気を付けなければいけません(ただしマル優の取得には、実務上、いくつかのデメリットもあります…)。
どのような事をすると風営法違反になってしまうかは、「これはNG!風営法違反」を見ていただければわかるのですが、ここではその中でも特に相談が多く、また、油断してしまいがちなことに的を絞ってご紹介いたします。
せっかく取った風俗営業の許可証…まさか書類の山の中に埋もれてしまっている、なんてことはないですよね?
許可証(マル優の認定を受けた場合は認定証)は、営業所の見やすい場所に掲示しておかなければなりません。これは風営法の第6条で定められているので、興味のある方は、「風営法を読んでみよう!」で確認してみて下さい。
これは警察官の立入りがあった場合、まずチェックされる項目の一つです。注意しましょう。
守っていない場合は、指示処分を受ける場合があります。許可証を掲示していないことを直接の理由とする営業停止命令はありませんが、指示処分を受けた後も改善されないようだと、指示処分に違反したことを理由として、20日以上6月以下の営業停止命令が出る場合もあります。またこうした行政処分の他に、風営法の罰則として30万円以下の罰金を受ける場合もあります。
これをきっちり守るというのは、なかなか大変なことだと思います。ちょうど盛り上がってきたところだから、ちょっとだけ…こんな時に限って立入りがあったりします。そうなるともう言い逃れはできません。最初は注意や指示処分で済んでいたとしても、繰り返されるようだと、場合によっては営業停止処分を受ける事になります。その場合は、20日以上6月以下の営業停止となってしまいます。
風俗営業の営業時間は、たとえばキャバクラやホストクラブのような業態(1号営業)だと、午前0時まで(東京都の場合、一部地域は午前1時まで)というように、時間が決まっています。近所のお店もやっているから…と油断していると、大事な許可証に傷がついてしまう事になりかねません。営業時間については「風営法と営業時間|この時間以外はアウト!警察から注意されます!!」もご参照ください。
従業者名簿については、警察や浄化協会の方からも説明があると思いますが、きちんと整備しておくことが風営法で義務付けられています。これは別に紙でなくても大丈夫で、PCでの管理もOKです。ただし、法令で定められた事項を漏れなく記載していること、必要な時に直ちに表示できる状態になっていること、が必要です。
また、繁忙時などは短期間のヘルプを入れることもあるかと思いますが、たとえ1日だけのヘルプであっても、従業者名簿にはしっかりと記載しておいて下さい。また、業態と従業者の業務内容によっては、単に記載するだけではダメで、法令で定められている書類でしっかりと確認をしなければならないケースもあります。しかもそれを退職後3年間保管しておく必要があります。
この整備を怠り、注意を受けたにもかかわらず、その状態が継続しているようだと、10日以上80日以下の営業停止命令を受ける場合があります。また、営業停止という行政処分の他に、風営法上の罰則として100万円以下の罰金を受ける場合もあります。
従業者名簿で不安な点がある場合は、どうぞ当事務所にご相談下さい。なお、従業者名簿に関しては、「5分でざっくり理解!風営法と従業者名簿(従業員名簿)」の記事も参考になります。
外国人数の増加に伴い、風俗営業の業界で就労する外国人も増えてきました。しかし!その雇用が大丈夫なものなのか、いま一度チェックする必要があります。
すべての外国人が風俗営業のお店で働けるわけではありません。日本にいる外国人のうち、就労に関して制限がないのは、
・特別永住者
・永住者
・日本人の配偶者等
・永住者の配偶者等
・定住者
の在留資格を持つ人です。これらの人は就労制限がないので、風俗営業にも従事することができます。
この他、細かくみるとキリがないので、ざっくりとご説明しますが、例えば「経営・管理」という在留資格を持っている人は、自身が申請者となり、経営等をする限りでは従事することも可能ですが、単なるスタッフやキャストとして従事することはできません。
「留学」の在留資格を持つ学生が「アルバイトで働きたい、資格外活動の許可も取っている」と言ってきた場合はどうでしょうか?
この場合は在留カード裏面のハンコをよく見て下さい。「風俗営業等の従事を除く」となっていますので、やはり従事することはできないのです。
外国人関係の問題は絶対に軽く考えないで下さい。「何だかよく分からないけど、人手が足りないから…」「カワイイから…」という考えで安易に雇ってしまうと、不法就労助長罪として3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金(又はこれの併科)となってしまいます。
こうなると、風営法第4条の欠格事由に該当することとなってしまいますので、風営法第8条によって風俗営業の許可も取消しとなり、さらにその後5年間は新規の許可が取れないなど、踏んだり蹴ったりということになりかねません。
当事務所は風俗営業に関連する外国人の手続についても精通しており、非常に多くのノウハウが蓄積されております。「外国人を雇いたい」「この外国人は大丈夫?」など、気になる点はお早めにご相談下さい。
当事務所の行政書士は、「申請取次行政書士」という、行政書士の中でも外国人ビザに関して高い見識をもった者のみに与えられる資格を保有しております。ご安心下さい。
意外な盲点として、「苦情の処理に関する帳簿」が見落とされがちなので注意が必要です。
これは法改正で新たに制定されたもので、午前0時を過ぎても営業OKな地域(これを営業延長許容地域と言います)で営業している風俗営業者や特定遊興飲食店営業者は、営業所ごとに備え付けることが必要となりました。実際に苦情が有ったか無かったかに関係なく、備え付け自体が必要です。
この帳簿には
・苦情を申し出た者の氏名及び連絡先(氏名又は連絡先が明らかでない場合は、その旨)並びに苦情の内容
・原因究明の結果
・苦情に対する弁明の内容
・改善措置
・苦情処理を担当した者
を記載し、最終記載日から3年間保存しなければなりません。
また、帳簿をつけるだけでなく、実際に苦情が来ないような措置も講じなければならなくなりました。
風営法改正前に許可を取った方の中には、このような新しい動向については知らなかった…という方も多いかと思います。しかし「知りませんでした」は一切通用しない、非常に厳しい世界です。風俗営業を営んでいる以上、風営法の動きについては常に敏感になっている必要があります。
なお、ここで取り上げた「従業者名簿」や「苦情の処理に関する帳簿」は、営業所の管理者が管理する事になっています。管理者については、「風営法で必要とされる、風俗営業・特定遊興飲食店営業の管理者とは?」をご参照ください。
以上、ここではいくつかに的を絞って、注意していただきたい点をざっくりと解説しましたが、お伝えしたいことはまだまだ山のようにあります。
「自分のお店って風営法に違反していないよね?」と思われた方は、ぜひ当事務所までお問い合わせ下さい。細かい点に至るまでしっかりとアドバイスをさせていただきます。
※「風営法」と「風適法」は、表現の仕方が微妙に異なり、この点については、こだわると奥が深いです。しかしここでは「ざっくりと理解する」ことが目的ですので、詳細な説明は省略とし、一般的によく使われている「風営法」という表現を使用しています。
また、その他の箇所についても、同様の趣旨から、ざっくりとした表現や内容となっております。予めご了承下さい。
「執筆者不明」の記事が多いインターネットの世界ですが、品質を重視する富岡行政法務事務所では、この点を明確にしています。この記事は、下記の富岡勉(富岡行政法務事務所)が作成しております。
これは私見ですが、情報の扱いが曖昧な事務所が非常に多いです。
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【執筆者】富岡 勉(とみおか つとむ)
1974年東京生まれ。
■慶應義塾大学を卒業した後、大学院で行政法(行政裁量)を研究。2001年行政書士試験合格。
■現在、東京都行政書士会所属行政書士、富岡行政法務事務所所長。専門は風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律と、同法をめぐる裁量問題。理論と実務の両方に詳しい。
■行政書士・富岡勉からのメッセージ
字数等の制約もあるため、ここに全ての情報を盛り込むことはできませんでした…。お伝えしたい情報は、まだまだございます!
このページをご覧になっても問題が解決しなかった場合は、風営法が専門の富岡行政法務事務所まで直接ご相談下さい。「風営法に関するお悩みゼロ」を確約いたします。↓↓
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