特定遊興飲食店営業を無許可でやると…｜風営法違反で逮捕？？

　警視庁は2018年1月29日、渋谷区内で特定遊興飲食店営業を無許可で行ったとして、経営者ら3名を逮捕した…と発表しました。

　特定遊興飲食店営業は、「深夜」に「酒」を出して「遊興をさせる」営業で、業態としては、クラブがその代表的なものです（ここでいうクラブとは、ホステスさんが接待するほうのクラブではなくて、音楽＆踊るほうのクラブ）。

　この特定遊興飲食店営業は、「深夜」「酒」「遊興をさせる」という3つのキーワードが密接に絡んでいる業態で、2015年6月24日の風営法改正で新たに規制の対象となったものです（施行は2016年6月23日）。

　風営法で規制の対象となっている「許可」を要する業種ですので、普通の商店がちょっと店を出す…というのと同じ感覚でオープンするわけにはいきません。

　特定遊興飲食店営業を営むためには、営業をする「人」、営業をする「場所」、そして営業所内の構造や設備…といったものが許可基準に合致していないと、許可を取ることはできず、したがって営業をすることもできないのです。

　もし、許可を取らずに営業してしまうと、風営法第49条第7号違反として、２年以下の懲役若しくは200万円以下の罰金、またはこの両方がダブルで科される、ということになってしまいます。ちなみに無許可営業は、風営法違反の罰則の中では最も重いものです。

【参考記事】

　これはNG！風営法違反｜５分でわかる風営法の罰則と、対処の方法

　今回の営業所は、渋谷区の渋谷4丁目に所在していたということですが、ここは、上記の「場所」の要件に引っかかってしまうことから、営業をすることはできないのです…。

　渋谷区で特定遊興飲食店営業ができるところは、以下の地域に限られています。

　渋谷区の渋谷一丁目から三丁目まではOKなのですが、四丁目は対象外であることが、お分かりいただけるかと思います。

　今回の事案は、騒音等の問題から、近隣住民からの苦情も出ており、渋谷署に取り締まりを求める嘆願書まで出されていたとのことです。警察も動かざるを得なかったのでしょう。

　風営法違反といっても、よほど悪質でない限りは、いきなり逮捕！ということは、あまりありません。最初は指導・警告で終わる場合が多いです。

　今回の営業所も、二回の注意があったということですから、これを無視された警察としては、「メンツ丸つぶれ」といったところもあったかと思います。

　注意を受けた時点で経営者が何らかの対応をしていれば…もしかしたら別の展開があったかもしれません。

【参考記事】

　警察から風営法違反を指摘された場合の対処法｜今、必要なものは何？

　このように、クラブなどの特定遊興飲食店営業を営む場合は、風営法違反となるリスクが常につきまといますので、開業をお考えの方は、風営法が専門の当事務所にご相談いただければ、と思います。

　あなたの店舗が風営法に違反しないように、しっかりとアドバイスをさせていただきます。

　特定遊興飲食店営業の経営をお考えの方は、以下の記事も参考になるかと思います。ご興味のある方はどうぞ。

• 特定遊興飲食店営業の許可を取る｜最低限知っておくべき知識はこれだ
• クラブ、スポーツバー、ライブハウスの開業｜何の許可申請が必要？