風俗営業許可申請の現場でよく受ける質問の一つに、「許可が出る前に営業できませんか?」というものがあります。
なぜこのような質問が出るのでしょうか。
それは風俗営業の許可というものが、<書類を出した翌日、すぐに出る!>というわけにはいかない、非常に時間のかかるものだからです。
許可が出るまでには一定の期間を要します。
目安となる期間として「55日」ということがいわれていますが、その55日には土日や祝日、年末年始等の期間は含まれない、とされていますので、55日とはいっても、実質的にはそれ以上の日数がかかることになります。
その間、当然家賃は発生していることが多いですので、申請者の方はカラ家賃、場合によってはカラ人件費を払わなければならず、その負担は無視できないものとなってきます。
ですので、その結果が「一日でも早く営業したい…許可が出る前に営業できませんか?」となるわけです。
この点について結論から申し上げますと、「営業することはできない」ということになっています。非常に残念ですが…。
いくら書類一式を出し、それが受理されたといっても、審査期間中はまだ「許可」が出ていないので、その期間に風俗営業をしてしまうと、風俗営業を「無許可でやった…」ということになってしまうのです。
書類を出した後に「実査」といわれるお店の検査がありますが、そこでも、「許可が出るまでは辛抱してください…」といった説明がなされることがあります。
これに従わずに営業してしまうと、せっかく手間暇をかけて申請したものが全て無駄になってしまいますので、十分にご注意ください。
実際、許可申請をした後、許可が出るまでの間に営業した方が風営法違反で逮捕されている事例もあります。
2018年7月2日、埼玉県警大宮署は、ふじみ野市の会社役員男性(44)を、風営法違反(無許可営業)の疑いで逮捕しました。
風俗営業の許可申請はしていたものの、未だ審査中で許可が出る前なのに、さいたま市大宮区仲町の店舗で、女性従業員4人に接待をさせたためです。
このような逮捕事例も実際にありますので、許可申請を行ったからといって油断することのないように十分気をつけて下さい。
営業はあくまでも「許可」が出てから…この点をしっかりと認識しておいてください。
ですので、風俗営業の許可申請をする際は、カラ家賃のことも含めた上で運転資金を考えておかないと、思わぬところで計画が狂ってしまいますので、この点もあわせて考えておくことが必要です。
以下の記事も参考になるかと思います。ご興味のある方はどうぞ。
※「風営法」と「風適法」は、表現の仕方が微妙に異なり、この点については、こだわると奥が深いです。しかしここでは「ざっくりと理解する」ことが目的ですので、詳細な説明は省略とし、一般的によく使われている「風営法」という表現を使用しています。
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【執筆者】富岡 勉(とみおか つとむ)
1974年東京生まれ。
■慶應義塾大学を卒業した後、大学院で行政法(行政裁量)を研究。2001年行政書士試験合格。
■現在、東京都行政書士会所属行政書士、富岡行政法務事務所所長。専門は風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律と、同法をめぐる裁量問題。理論と実務の両方に詳しい。
■このページをご覧いただいた方へメッセージ
この記事は、<風営法専門の行政書士・富岡勉>が、日々の業務の中で、風営法や風俗営業許可に関してボソッとつぶやいたショートコメントです。
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