細かいところに至るまで基準があります…店舗設計の段階で考えておく必要があります
東京都で飲食店営業の許可を取る場合は、店内の設備に様々な基準がありますので注意して下さい。非常にこまごまとしており、ここでそのすべてを紹介することはできませんが、重要なところを「ざっくりと」ご紹介します。
■流し
流しは原則2槽必要になります。「原材料を洗うところと食器を洗うところが一緒なの?…ちょっと分けたほうがいいんじゃない?」ということです。
ちなみに1槽の大きさは内径で45センチ(幅)×36センチ(奥行)×18センチ(深さ)必要です。
書類を出した後、<施設検査>といって、保健所の担当者が実際に店舗まで検査しに来るのですが、このサイズに非常に几帳面な方もいれば、「まあいいでしょう」という方など、色々です。
ただし、「まあいいでしょう」を期待してはいけません(笑)。基準があるのですから、これに合うように作ってさえおけば、余計な神経を使わなくても済みます。
またスケルトンで店舗を借りる場合、水回りの設計には十分注意して下さい。あとで基準に合致していないことが分かって追加工事となると、それだけで結構な出費となってしまいます。水回りの工事費は意外とお金がかかるのです。
■手洗い設備
これは従業者用とお客様用の二つが必要になります。東京都の場合、従業者専用の手洗器は、外径が36センチ(幅)×28センチ(奥行)というようにサイズの基準があります。また、衛生面を考えて、蛇口は<足踏式>や<ハンドコック>といった形が推奨されています。
手指の消毒装置(要は手洗い用の液体せっけん:よく緑色の液体をみかけますが、あれのことです)が固定で付いていなければなりません。この固定についても、ネジなどで絶対固定!という場合と、市販のポンプ式のものがおいてあれば…まあいいでしょう、という場合など、地域によりいろいろです。
■調理場と客席の区画
これはあいまいな境界ではなくて、きちんと区切られていることが必要です。ドアで区切られていればまず問題はないですが、スイングドア、ウエスタンドア(パタパタと開閉するタイプ)でも大丈夫です。
居抜き物件の場合、このドアを邪魔だからという理由で取り外してしまっている場合があります。許可を取るためには必要ですので注意しましょう。
■温度計
冷蔵庫には温度計がついていなければなりません。通常のコールドテーブルであれば最初からついている場合が多いですが、そうでない場合は、安いものでいいので備えつけておく必要があります。
■給湯器
原則として水だけではなくてお湯が出る必要があります。「洗浄や消毒のためには水だけではダメでしょ?」ということです。
また、水についてですが、貯水槽や井戸水を使っている場合は、水質検査成績書を提出する必要があります。
■食器戸棚
食器を収納しておく戸棚ですが、「戸」棚ですので、戸が付いていなければなりません。居抜き物件などでよく見られるのが、「戸棚」ではなく、単なる「棚」になってしまっている場合です(笑)。邪魔だから…ということで取り外してしまうのでしょうが、許可を取るためには必要となるものですのでご注意下さい。
この他にも照度、床の材質や勾配、ダクト、ネズミ・虫の防除からごみ箱に至るまで細かな基準がたくさんあります。
また、許可を取るための基準については、ここでご紹介した「設備」に関することだけでなく、「人」についての欠格事由など、ほかにも考慮しなければならないことがたくさんあります。
何だか面倒だな…ということであれば、必要な手続きのすべてを、当事務所に丸投げしてしまう…という事も可能です。当事務所に依頼してしまえば、あなたは手続き関係の事で頭をかかえることがなくなり、許可書が届くのを待つだけ!となります。